フローリングには種類があります
種類は主に4つです
単層フローリング(無垢フローリング) | 天然木を木材として切り出し、一枚板の床板に加工した床材 (継ぎ足したり、重ねたりしていない100%の天然木) | 15㎜厚 床暖房対応可能なものもあるが基本不可 | オイル塗装可(汚れや乾燥、水気から表面を守り手軽にメンテナンス出来る) ウレタン塗装可(メンテナンス可だが専門の業者に依頼) | 天然木の質感や風合い、触れる 温かさは格別 木の種類や材料のグレード、サイ ズなど幅広く、価格も幅広く豊富 にある(主に90㎜~120㎜幅) 耐久性がある ※無垢のメリット、デメリットは次項を ご参照ください |
複合フローリング 挽板(ひきいた) | 集成材や合板の基材の上に薄くスライスした天然木(単板)などを張り合わせて作られた床材 | 表面は木材を2~3㎜程の厚みで挽いた板で、仕上がりは無垢に近い質感 材種は主にオーク材やウォールナット、ハードメープルやブラックチェリーなど、意匠性に優れ人気の樹種に限定 床暖房対応可能 | オイル塗装可 ウレタン塗装可(ウレタン塗装の場合は、塗膜が固いので専門の業者へ依頼) | 無垢同様、木の温もり、経年変化 を楽しめる 基材が合板であるため、無垢材 よりも反り、収縮は少ない 傷が付くと凹むが、下の合板は 見えない 無垢フローリングに比べ幅広材 (120㎜~190㎜)がある 挽き板に使用する樹脂は高価な ものが多く、製造に手間がかか るため価格は高め 製造時、石油製品を多用し、環境 負荷が高い |
複合フローリング 突板(つきいた) | 集成材や合板の基材の上に薄くスライスした天然木(単板)などを張り合わせて作られた床材 | 表面は木材を0.2~1㎜程の薄さにスライスしたもの(この表面材は天井材や家具、テーブルの天板など様々な箇所に使われている) 床暖房対応可能 | 基本的にはウレタン塗装(メンテナンス可) ワックスの場合、半年から一年に一度の定期的なワックスがけが必要 | コストを押さえつつ、微かに木材 の風合いを楽しめる 温度や湿度の変化に強く、ねじれ 、反りなどにも強く床暖房に使え るものが多い 表面に傷が付くと、下の合板が見 える(物の落下衝撃でも割れるこ とがある) 反り・収縮などは少ないが、傷が 付くとそこから徐々に剥離してい くので、施工当初が一番美しい 状態 高級感が出にくい |
複合フローリング (シート) | オレフィンなどの樹脂や紙などに木目模様をプリントしたシートを、集成材や合板の基材の上に張り合わせて作られた床材 | 表面は樹脂などに木目模様などをプリントしたシート 床暖房対応可能 | シートなので水拭き可能 | 傷は付きにくく、お手入れはしや すい 耐久性が低い(表面が一度剥が れてしまうと修復困難) 木目が精巧に再現されていても 、天然木の温もりや経年変化は ない(冷たさを感じる) 安っぽい |
無垢フローリングのメリットは沢山あります
裸足でもヒンヤリ感が少なく、肌触りが良い
無垢材は人工物より柔らかいため、体への衝撃を押さえ、
脚・腰への負担を軽減(樹種により硬さは違います)
梅雨から夏にかけては余分な湿気を吸収し、素足で歩い
てもべとつかず快適
乾燥する秋から冬には、湿気を排出する調湿作用がある
人工物より、静電気を押さえる
複合フローリングは表面塗装の剥がれヒビにより、接着剤劣化が進み表面化粧材が剥がれていくが、無垢材はオイルやワックス
塗布により劣化の抑制・修復が可能で耐用年数が長い
年月を経て色に変化が出たり(樹種により異なります)、艶が出て味わいや高級感を増すので、使い込むと愛着が増すという方が 多い
木の表面には無数の凹凸があり、光の反射をやわらげ目に優しい
木に含まれる精油成分フィットンチットがリラックス効果を高め、免疫力の向上に役立つ
抗菌効果や浄化能力でアレルギーや喘息の方に良い
天然素材なので同じものはなく、全てがオリジナル…すべて違うから、表情豊かで面白い
複合フローリングに比べ生産に手を加えないため環境にも優しい
無垢フローリングのデメリットもあります
価格が高い場合がある
複合フローリングに比べ、傷が付きやすい(樹種、塗装・無塗装により異なります)
水分を長時間放置すると、シミ・輪ジミ・黒ずみの原因になる(明るめの材種だと目立つ)
汚れを長時間放置するとシミ、カビの原因になる
無垢の記憶
小さい頃、よく遊びに行った祖母の家には長い廊下があって、走ったり、寝転んだり、庭を眺めたりして遊びました。古くて長いその廊下には、沢山のキズや凹みがあったとも記憶しています。それは人が生きて、暮らした証。温かく優しい思い出の一コマに、足裏の僅かな凹凸の感覚も残っていて、それは今も嫌な思い出ではなく”幸せな記憶”です。天然物には、人工物にはない「古さを味わいに変える」そんな不思議な力があると私は思うのです。
それから半世紀近くを経て、無垢フローリングの品質や加工・乾燥技術は格段に良くなりました。もしかしたら、今の子供達にとっての”足裏感覚の記憶”は違ってくるのかもしれません。ただ、何とも言えず温かい肌触りは、今も昔も変わりません。私達、無垢材を愛する材木店としては「無垢材を使いたいとお思いなら、使用上、構造上何らかの問題がある場合を除いて、多少の個性(木目・割れ・反り)は”自然素材ならではの味”と捉えて頂き、それをよくご理解、ご納得頂いた上でお選びいただきたい」と、いつもお話しています。それが、無垢材が遥か昔から愛され続けてきた所以でもあるからです。もともと、工業製品のように、全部が同じに仕上がることのない素材です。
だからこそ個性を尊重する現代に於いて、無垢の個性もきっと「我が家だけの思い出」を彩ってくれる1ピースになっていくことでしょう。
そんな無垢材の、お手入れや修復が必要な場合のため、下記に幾つかのメンテナンス方法をご紹介いたします。
日頃のお手入れ
無垢フローリングのメンテナンス方法
普段のお手入れ
ホコリを除去するために、乾拭きフローリングワイパーの使用が簡単でピッタリです!雑巾なら乾拭きで。
水滴や油などが表面に付着した場合は、すぐに拭き取ってください。放置すると、後が残る場合があります。
ひどい汚れには、乾拭きでゴミやホコリを取り除いた後、固く絞った雑巾か床用洗剤や中性洗剤を染み込ませた雑巾で汚れを拭き取り、乾いた雑巾で乾拭きするとキレイになります。(強く擦り過ぎると、フローリングの表面が毛羽立ってしまう場合があります)
定期交換するようなモップの場合、ゴミやホコリを包み込む吸着剤が使用されているものは複合フローリング用です。(無垢材で科学雑巾を水濡れ箇所に使用すると、白っぽくなる恐れがあります)
吸着剤なしのマイクロファイバー素材のモップならOKです。
アイロンで小さな凹みを戻す
1)割れや傷部分のホコリや汚れを除去(木の表面には凹凸が
あります)
2)濡らしたタオルを置き(または少量の水をかける)、上からア
イロンをかける
これでかなり戻ります。傷も一旦浮き上がらせて、サンドペーパー
をかけた方が最小のお手入れで済みますよ。
複合フローリングやウレタン塗装では、塗装が剥がれるの
で行わないでください(ウレタン塗装は専門業者でないと
メンテナンスできません)
蜜蝋ワックスで傷の隙間を埋める
天気が良い日を選び、風通しをよくしましょう
室温が5℃以下の時や雨天で湿気が極端に高い時は
床面が白くなることがありますので、ワックス掛けはさけてください
1)割れや傷部分のホコリや汚れを除去
2)サンドペーパーで表面を平滑にする
3)蜜蝋ワックスを塗る(木の表面にある凹凸にワックスが入り、
汚れの侵入と防水・防汚効果を発揮)
お使いになるワックスの説明書をよく読んでご使用ください。
で行わないでください
汚れを消したい
1)割れや傷部分のホコリや汚れを除去
2)台所用スポンジの柔らかい面で、汚れを擦る
3)粗い面でワックスを剥がす(ここまでで結構消せます)
4)剥がした部分に、スポンジの柔らかい面でワックスを塗る
(塗布後半日~一日乾かす)
お子さんがマジックを付けてしまった場合も有効です
複合フローリングやウレタン塗装では、塗装が剥がれる
ので行わないでください